INTRODUCTION


都市伝説は「時代の空気」を映すショーケース

都市伝説、噂、ジョーク、事件簿、カルトな雑学について、サイト運営にあたるルーマーズのスタンスは、あくまで21世紀初頭の「時代の空気」を映すショーケース作りとしてとらえています。

その中には明らかな小話、井戸端会議のようなものから、真実味を帯びた「物語」まで多種多様です。真偽の程は別として、社会のIT化、ネットなどを通じて私達の生活に根付いていた「超大衆次元のクチコミ社会」は、歴史的にも今までのマスコミ社会の規範とは異質のルールを要求しているように思えます。個人が即時に検閲無しで大衆に情報を受送信できる社会の登場です。

日々の生活の中のたわいもない会話の噂の中に潜んでいる力。この噂を通じて世界中の隠された真実が見えてくるかもしれませんし、その逆もあることでしょう。先のイラク戦争でみせたメディアのプロパガンタと言う名の「情報戦争」が世界中の掲示板や個人のホームページでも拡張された事実は、衝撃的で深刻ですらありました。

トーキョウ・ルーマーズが、1990年に最初の都市のフォークロア、噂を採集した「東京の噂」という本をだしてから13年。当時は従来のマスメディアの限界を乗り越える形で登場した若者たちの噂ブームをコレクションすること自体が目的でした。その後インターネットや携帯が急速に普及し「私的な情報化世界」がいつの間にか日常化していき、気が付けば毎日何千万人もの人が、PCモニターや携帯電話の小さな液晶画面に向かって「お気に入りの噂」を語りかける社会になっていました。

今回8年ぶりに新刊「平成の都市伝説」で復活したことを契機に、初めての公式サイトを開設にすることにしました。必ずしも都市伝説の類いではなくとも、都市の空気や気分を伝えるためだけに、チラッと顔を覗かせた発育途上の噂やクチコミを、このサイトのですくいとらせてもらえればと思います。



ネット掲示板文体の原点「1行クチコミ型情報」

記念すべき777話の噂を採集した「東京の噂」最初の書籍化は1990年夏。(日経通信社刊、現在絶版)
表紙に当時話題の大型クラブ「GOLD」のシークレットキャラクターであった吉田康一氏(*)デザインの「エレクトロミッキー」を採用し、発売と同時にクチコミでブレイクした。

当時のマスコミでは、現在のネット掲示板のようないわゆる「1行クチコミ型情報」は珍しく、朝日新聞、読売、日経、他主要新聞をはじめ「週刊サンデー毎日」が8週継続の特集をくんだり、「ポパイ」「アンアン」「ファインボーイズ」、NHKをはじめ民放テレビ各番組でも特集報道合戦が繰り広げられた。90〜91年にかけての都市型噂ブームの火付け役となりマスコミ報道は80件以上。

なかでも深夜ラジオの「オールナイトニッポン」は「オール噂ニッポン」という4時間特番で、本書の海外ネタまで追加取材を強行するフィーバーぶりで、当時の有名人や土井たかこといった政治家までが標的に。まだマスコミ(情報の送り手)とクチコミ(情報の発生源)の境界線が明瞭に分れていた時代でもあった。



●現在も放映されている「森本毅の噂の東京マガジン」(TBS、日曜13:00)は「東京の噂」をモチーフに開設された当時の実験的番組で、いまや長寿番組として定着。(TBS側はいまだにお約束の企画料というものを支払ってくれていないが、どうなっているのだろう...笑)

(*)吉田康一氏---80年に発売されたSONYの「WALKMAN」の斬新なロゴデザインなどで有名な、日本を代表するグラフィックデザイナー。90年代にはブラウンウッズレーベルなどの音楽プロデュースでも活動。
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